Vol.2 展示会の未来を変える— “紙でつくる”ブースの挑戦
廃棄ゼロを目指す、竹村尚久先生(スーパーペンギン)のエコデザイン哲学
東京ビッグサイトで昨年12月に開催された「エコプロ展」。
環境・社会・経済の持続可能性をテーマにしたこの展示会で、来場者の注目を集めていたのが、スーパーペンギン代表であり、当校・町田ひろ子アカデミー特別講師の竹村尚久先生による“紙でつくる展示ブース”でした。
先生はセミナー登壇でも「展示会そのものがエコではない現実」について鋭く指摘し、その課題と向き合うための新しい試みを発表されました。


展示会が抱える「見えない廃棄」の課題
一般的な展示会では、開催後にブース資材が大量に廃棄されます。
木工パネル、塩ビシート、カーペット、金属フレーム——。
わずか数日間のイベントのために製作され、会期が終わると廃棄物の山となって処分されてしまう。
下の写真に写る“1ブースから出る廃棄量”は、まさにその現実を物語っています。
「展示の裏側で、まだ使える素材が捨てられていく。
“エコ”をテーマにした展示会こそ、構造的に見直すべきなんです」
——竹村尚久先生(セミナー講演より)


紙素材が生み出す、循環するブースデザイン
スーパーペンギンが提案するのは、「紙でできたブース」。
主構造から壁面、什器に至るまでを「再生板紙」で設計するという大胆なアプローチです。
リサイクルが容易な再生板紙は、設営・解体の効率化と廃棄削減を両立。
ブース裏面をあえて見せることで、とても紙とは思えない強度を実感すると共に素材の可能性を示しています。
「紙は“弱い素材”ではありません。
構造とデザインの両輪で考えれば、十分に空間を支えられる。
そして、再び生まれ変わることができる素材なんです。」
ブースデザインは素材そのままの質感と、壁面に描かれたメッセージで構成されており、コンセプトが一目で力強く伝わってくる。
講演の最後に「同じ志を持って、皆んなで展示会を変えて行きましょう!」と語りかける姿に静かな情熱を感じました。

ポイントまとめ:
【関連リンク】
スーパーペンギン(SUPER PENGUIN)公式サイト:https://www.superpenguin.jp/
エコプロ会場での取材動画(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=-ddt8o2HTx0
エコプロ展(東京ビッグサイト)公式ページ:https://eco-pro.com/
町田ひろ子アカデミーより
町田ひろ子アカデミーでは、空間デザイン教育を通じて、“デザインの力で社会に貢献する”視座を育んでいます。展示会という一時的な空間に、未来へのメッセージを込める——。それは、私たちが考えるSDGsデザイン教育のひとつの形です。






